11/3-4 ドキュ・メメント登壇のお知らせ/ 「シャーデンフロイデ」の記事を読んで

今日は朝起きて一日中、部屋でおしごと。

描いてはバタッ、描いてはバタッ、時々飲み物を取りに行って、描いてはバタッ。

その間に洗濯機を3度回して、良い気分。

一日中おしごとができて、こんなに幸せなことないなという日。


そしてお知らせです。
昨年の夏に、池袋で登壇させてもらったドキュメンタリーナイトが大きくなって、2日間の複合イベントになりました。

「これもドキュメンタリーだ」と言い放ち、その頃はまだデジタルデータでしか存在していなかった絵本「HOW TO DESTROY A KID EFFECTIVELY」のスライドショー朗読をした私。
自分の中でもあまり嬉々として語りたいテーマでは全然ないけれど、描くしかなかった絵本です。
今回のイベントで、届くべき人に届くように、思いっきりステージ(ドキュメンタリー世界では、ピッチングというらしい。面白いね)を楽しもうと思います。

ドキュメンタリーの世界、まさに変化の中心を今作っている人たちとその試み。現在Lost and Found展で展示中の絵本を、ドキュメンタリーとして話します。新しい経験、楽しみです。


クラウドファンディングのサイト。
"生まれたてのドキュメンタリーを生体験!30人の表現者が2日間に渡って”私のドキュメンタリー”の登壇ライブを行います。舞台は、昭和の匂いが残る東海道の宿場町、品川宿。物語が生まれる瞬間を一緒に作りませんか?"
https://motion-gallery.net/projects/documemento

前回のようす。熱気あふれる。けど主催者の意向により、普通に外で商談したり、ナンパしてたり、みんな思い思いにしてたのがよかった。





品川という、リアルブレードランナーの世界。

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そして、たまたまですが今日こんな記事を読みました。

ネットで誰かを吊し上げて叩くと快感が得られる–脳科学者・中野信子氏が解説する「シャーデンフロイデ」という感情


読んだ瞬間、胴に竹刀で打ち込まれたような、重たい衝撃。

よく「社会の呪い」っていうけれど、それは本当はもっとドライで、正気だったりする。

記事の内容は、「妬みの相手が失敗したときに感じる喜びの感情」を意味するという「シャーロンフロイデ」というドイツ語の概念を使って、ネット叩きのような現象を分析した講義を起こしたもの。

理想主義的な社会を追い求めると、当然、そうでないものを排除する力学も加速する。
排除する痛みを感じないように、排除する時に悦楽を覚えるようになる。

いつしか、「理想主義的にそぐわないもの」と「単に気にくわないもの」が同化していって、「とにかくそれが叩かれてほしい」となっていく。
そういうルールの中で生きていくには、なるべく叩かれないような生き方をするのがベストであり、人は賢くプレイするようになる。


愛の反対は無関心とはよくいったものですが、無関心と愛の間にある、
「私の悦楽になってほしい(その限りにおいて私はあなたに対して無関心ではない)」
というのが一番暴力的になりそうな気もします。

ボディにくる重たいショックを受けながらも、思ったのは、そうでない社会領域は広げていけるな、ということ。
叩いて悦楽を得る人たちが具体的にどれだけいたとしても、そうでない世界を作っていくことを知ってるし、そんなゲームのルールには乗らない。

なぜかというと、最近は自治区のような暮らしをしていて、周りにはそういう、例えばいちいち何かを叩くような人が、気持ち良いくらいにどんどんいなくなったからです。

いたとしても、私の中にそういう不幸の手紙を受け取る郵便箱がなくなった、認識しなくなったというのが正しいかも。
自治区のような暮らしをしながら、新しく出会った人たちの中で、そうやって自分の自治区を広げているような人たちをたくさん実際目にしてるから、そういうのは可能だと知ってる。
「そういうことが可能だ」というと、「お前は間違ってる、そんなことじゃやっていけない」っていう人はいるかもしれないけれど、そういう人たちと同じゲームで遊ぶ必要はないのです。

でもそういう人たちは(特に頭の中にいる場合)、「私は自分を信じる」っていうと、棍棒を持って地の果てまで追いかけてくるよ、一番そういうところを狙ってくるんだよ、ということを書きたかったのが、↑の絵本です。(宣伝)


一方で、長年そんな世界を自分も再生産し続けていたからこそ描ける世界があるので、何事も経験だなあという感じです。
(でももう生身の人間としてはno thank you.)


愛の反対が無関心なら、
暴力の反対は尊重だと思うよ。
本当に。
そして指摘して批判して終わるよりも、そうじゃないものを作った方が早い。
そんな時代になってきてるなと思うこの頃です。

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