Lost and Found展 - This Is My Letter To The World 始まりました

This is my letter to the world,

that never wrote back to me.

「これは私からの手紙です」

「一度も私に返事をくれなかった世界への」


-



Lost and Found展はじまりました!

「HOW TO DESTROY A KID EFFECTIVELY/子供を効果的に壊す方法」という絵本を作りました。

昨年登壇したドキュメンタリーナイトで、スライドショー状態でお披露目したものを、1年がかりでようやく絵本の形にすることができました。

今回は手製本で文字どおり夜なべをして、、、

グッズは自分の手で作ることが多いですが、本になると手製本はあまりやりたくない、という思いがあって今回初手製本です。
今回はそこまで含めて展示コンセプトだと思ってやりました。
(やってみたら、結構というかかなり楽しかった)

同じく、初のインスタレーション。
本当に勉強になりました。
普通、絵本の展示というのは絵本があってその原画展・・・だと思いますが、
今回は丸々と絵本そのものを見ていただく形になっています。

まだ始まったばかりで、21日まで開催なので、詳細を語ることは控えます。

初日、始まってすぐに来てくださった方も何人もいました。
ツイッターで見てくださって、そして来てくださった方も。
在廊している時は、それこそ巨人の星のお姉さんのように、展示を見てくださるお客さんを文字通り陰ながら見ています。
私はいないけれど、そこにある作品と空間だけで、来てくれた人と会話ができる。

そんなものが目の前にあるのは実際目の当たりにするのは久しぶりで、しみじみと嬉しさがこみ上げてきました。新作のよろこびですね。
(今書店やお店においていただいている本も、手に取っていただいている瞬間全てがそうなのだと思うと、背筋が伸びます)

今回、Lost and Found展のキャッチコピー。
「言葉とアートの消失点で、残されたものを聴く作家たち」

本当にその通りだなあと思いました。

私は、他の作家の展示にゆっくり向き合った時に、知らない言葉でやりとりしているような気がしました。交信。
情報量が多すぎて言葉にはならず、しようとも思わず、ただ溢れるように押し寄せてくるものを感じていました。
言葉にはならなくても、私のまだ使ったことのない線に光が通ったような気がしました。
今回の展示の大元にあるLost and Foundは、普段言葉によらない表現を行う人が言葉で書いた小冊子ですが、こういう手段を持っている人たちが、これをなんとか言葉の形にするのは、そりゃ大変だっただろうなと思いました。

私自身は、絵本ということもあり、かなり言葉に寄せた作品になっています。
言葉が言葉を超えて、声になればいいなと思っています。
別に詩にならなくていいから、意味の通うものになればいいと思います。

そして、絵本といえど児童向けではなく、だけど心の中に子供がいる人に読んでもらいたいなと思って描きました。
私の作品はどれも、どうしようもなく、読んでもらって初めて完結するものです。

なので、ぜひ観にきていただけたら嬉しいです。
9/30日は大和田慧さんをゲストに、ライブパフォーマンスをします!
私も約1年ぶりのライブライティングをします。血沸き肉躍り、焦点が一気に定るあの感じを共有できたらいいなと思います。




キュレーターの杉原未希子さんの渾身のお手紙、ぜひ読んでほしいです。
デザイナーの平山みな美さんの渾身のチラシ、細部まで考え抜かれていて、愛です。
ぜひ手に取ってみてほしいです。

この人たちもまた、本当に素晴らしい文章を書きます。
言葉になるといきなり偏屈になる私ですが、彼女たちの言葉は真摯で衒いがなく、揺れていて、それでも何かを求めて、それを表すことだけを探して書いているかのようです。
私はもうどんどん言葉を失うばかりです。

------

<イベント概要>

2017年9月17日(日)〜10月21日(日)
12:00-19:00(金・土は20:00まで)火曜日休館
at アキバタマビ21(アーツ千代田 3331 2F)

※トークイベント日時変更のお知らせ
トークイベントの日時を1020日(金)から1012日(木)に変更させていただきました。ゲストは変更なく、港千尋さん(写真家)、 平出隆さん(詩人)、 中村寛(文化人類学者)さん、そして出展作家による鼎談となります。ご予定してくださっていた方には大変申し訳ありません。詳細は下記【関連イベント】をご覧ください。


この展示の背景には、出品作家たちが参加し、共同制作した冊子『Lost and Found』(vol.1〜4)があります。この冊子は、「同時代」をテーマに紡いだ言葉を持ち寄り、朗読し合うという作業を、約半年間にわたって繰り返すなかでうまれました。それは単に、文章の校正作業というよりも、各人が自分なりの「同時代」への応答を対話のなかで確認しあうことで、言葉と心身の化学反応が起こり、記憶や認識や感性が生成変化していく場でした。
非言語的表現に長けた者だからこそ、かえって言葉の磁場をするどく感じとり、既成の概念や言葉の文法から抜け落ちていくことがらに耳を澄まそうとするのだと思います。それでもあえて言葉にしなければこぼれてしまうことを描ききろうとするなかに、作家たちの世界への手紙を見いだすことができます。
展示のタイトルは、エミリー・ディキンソンの詩句から取りました。This is my letter to the world, / That never wrote to me, -- 作家たちからの世界への応答――言葉と造形作品が交差する空間で、その声はどのように届くのでしょうか。

 

『Lost and Found』とは...
文化人類学者の中村寛を発起人として、当時多摩美術大学夜間部に在籍していた平山みな美、吉國元、大沼彩子が執筆し、2013年に人間学工房より出版された。その後も、さまざまなバックグラウンドを持つ執筆者が参加した。2017年3月、vol.4刊行。


【出展作家】
吉國 元 Moto Yoshikuni
大沼 彩子 Ayako Onuma 
小野 初美 Hatsumi Ono
池田 萌子 Moeko Ikeda
佐藤 優里咲 Yurie Sato
後藤 響子 Kyoko Goto
笹目 舞 Mai Sasame
安達 茉莉子 Mariko Adachi

 

【関連イベント】
9月17日(日)17:00〜 オープニングパーティー
てろてのおもてなし料理付き


9月30日(土)16:00〜 ライブパフォーマンス
ゲスト:
大和田慧(シンガーソングライター)×出展作家

10月12日(木)18:30〜 トークイベント 
ゲスト:
港千尋(写真家)× 平出隆(詩人)× 中村寛(文化人類学者)+出展作家

10月14日(土)14:00〜 トークイベント
ゲスト:
畑中章宏(民俗学者)× 中村寛(文化人類学者)+出展作家

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
会期:2017年9月17日(日)〜10月21日(日)
時間:12:00-19:00(金・土は20:00まで) 火曜日休館
会場:アキバタマビ21(アーツ千代田 3331 2F)

 
アクセス:
銀座線末広町4番出口より1分 
千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分 
大江戸線上野御徒町A1番出口より徒歩6分
JR御徒町南口より徒歩7分

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





コメント