サマーウォークと風

電車に乗って、会いたかった人に会いに行く。

晴れた日の中央線から見える東京が一番好きだ。(一番はたくさんあるけど)
高架の上から、どちらに座っていても、霞むことなくどこまでも遠くまで見える。
それだけでただ幸せだった。
こんな穏やかな心持ちでいられることがうれしい。

いわゆる限界集落と呼ばれる集落で茅葺き古民家の宿の管理人をしていた篠山時代に出会って、早いものでもう5年くらいになるNさんに会いに行ってきた。

Nさんと私は同じ路線に住んでいて、時々こうして会っている。
少し前、4月に一緒にたくさん武蔵野を歩いて、その時お腹にいた赤ちゃんは、今ではもう4ヶ月。
4ヶ月とは思えない大きさで、この間会った時よりもはっきりわかるほど大きくなっていて、
何より表情ができてきていて、可愛かったなあ。

今回も、色んな話をした。Nさんと話すのは、なんとなく、大きな柿の木にたわわになった実をもぐのにひとりでは到底間に合わず、電話して集合して一緒にひたすらもいでいく、みたいな感覚に似ている。
話したいことはたくさんあって、もいでももいでも無限に柿の実があるぞ…という感じ。

篠山で働いていた時も、Nさんがきてくれた時は、二人でお茶を飲みながらこたつで朝まで話していた。
それが今では場所がかわって、東京で。
Nさんには今では赤ちゃんがいて、でも二人とも変わっていない気がする。
いつか私に子供ができるようなことがあったら、一緒に遊べたらいいなあと思った。
(まあ見事に予定はないけど…)

さすがにそろそろ帰らねば、と駅に向かって歩いている時に、ほとんど同じタイミングで「寂しいねえ」と言った。

夏の終わりを惜しみながら歩いた。
たぶん次はもう初秋かな。


前々回Nさんに会った時の、4月終わりの書きかけの日記から。


『サニーウォークと光』

歩くのが好きだ。

Nさんと、散歩をする約束をしていて、願いが通じたのか、ここ最近雨が降って寒さが戻っていたのに、約束していたこの日だけ、綺麗に晴れた。

西荻窪の北辺りは、坂道が多くて好きだ。眺めがすごくいい。
そこら中に桜の木が結構しっかりと植わっていて、"ながら花見"をする。
こんな風にNさんと歩いて、なんて幸せなんだろうな、と思った。

会社勤めをしていた頃は、平日の昼間に外を歩くことに焦がれていた。

身一つで、憂いのない心で空の下を歩く。こういう時間を幸せだと感じるようになると、生活は無限だと思う。

迷って迷って、そしてようやく西荻窪にたどり着いて、本屋さんと、Nさんが連れていってもらったことがあるというマフィンのお店に行った。
マフィンのお店は最高に可愛らしく、見ているだけで目の疲れが取れ、おまけにお腹も気持ちもいっぱいになるような素晴らしい場所だった。
最近マフィンづくりに興味があるので、ここのお店が出した本を買って、真剣にオーブンを買おうかとまた悩んだ(金欠)。
食い意地が張っているので、お土産にキャロットケーキを買う。
オーブンを買ったら、マフィンを焼いて持っていってあげられる人になりたいと思う。

太陽がずっと暖かく、それだけで気分が良かった。
Nさんが「太陽にありがとうって思う」と言った。
そうだよな、と思った。

どこの土地に行っても、この人に出会うために私はここに行ったんだろうな、という人たちがいる。

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